clinic状況報告 健康管理の一助になれば ②

④股関節炎 暇をもてあまして運動不足を続けたため、筋肉が急激に老化しました。あちこちの筋肉を触ると痛みを生じます。半年前から左脚の運動に制限があり、胡坐(あぐら)をかけなくなりました。乳児への療育相談の中に、重要な膝の関節の曲げ伸ばしを教える体操があり、こちらが胡坐の姿勢をして、そこに乳児を座らせて立ち上がるように誘導するやり方は、効果絶大です。ところがその胡坐が出来なくなったのです。股関節が痛いのです。4月下旬になり、腰回りの筋肉も用心して使おうとしなかったため、ついにゴムの弾力性伸展性を失い、寝返りさえできなくなりました。それは一番恐ろしい「寝たきり老人」と同等を意味します。ほうほうのていで、近所の整形外科医院を受診しました。さすが専門医です。足膝股関節と順番に曲げ伸ばしを調べ、特定の局所に筋肉痛がないこととレントゲン検査から、”左股関節炎”と診断されて、ロキソニン錠とムコスタ錠の処方を1週間分出され、さらに歩行に激しい痛みを伴うという訴えに、松葉づえを貸し出してくれました。面白いもので、明確な診断名を告げられた途端、しつこく付きまとっていた疼痛が、半分以上軽くなったように感じました。痛みは、こころです。初診から5日目に明らかに疼痛は軽快でした。ただ、股関節のあたりを軽くこぶしで殴打すると気持ちよく感じます。痛みが完全に消えるまで鎮痛剤の服用をきちんと続けました。

⑤ぎっくり腰 関節の痛みが激しくなった時、すぐに思い浮かべたのが、ぎっくり腰でした。過去に数回繰り返しました。でも、今回は大腿骨頭外側稜のあたりが、押すと痛みました。それも鈍痛です。これはぎっくり腰と違うと思いました。ぎっくり腰には、私的に考案した対処法があります。まず痛みを探ります。指先で押しまわると、ある個所で、針で刺されたように飛び上がるような痛みを感じる箇所をみつけます。そこをじっくりと指先でぐりぐりもんでいると、だんだんと痛みに慣れてきて、我慢ができる水準になります。指でぐりぐりしながら、トイレの便器に座り、立ち上がるという運動をしてみましょう。ぎっくり腰では、この運動が一番難しいとされます。ところが、指ぐりぐりをしている状態で座り、立つ動作をしたら、なんと普段と変わりなく動けました。ぎっくり腰は、とても小さな筋肉の一つが傷を負って炎症を起こし、そこに運動の負荷がかかると、神経反射で、その運動を止めてくれという欲求が瞬時に拡大して、痛みがまったくない周囲の筋肉もストライキに参加するので、脱力が起こると解釈しています。ちなみに、指ぐりぐりをしないで座ったら、もう立ち上がれません。嘘みたいな本当の話です。教えてあげた毎日新聞のスポーツ記者から、とても楽にしゃがみ立ち運動ができたと感謝の電話をもらった記憶があります。要点は、とても小さいが、激しい痛みを発生する筋肉をみつけることです。左股関節炎と診断された後日談ですが、今度は右股関節のごく一部の筋肉に激しい刺すような痛みが発生したことが指ぐりぐりでみつかりました。

⑥過去最大の体重増加 左股関節炎が軽快してから3日後の5月2日、手足顔がぱんぱんになっていました。驚いて体重計に乗りました。87.7kgでした。今まで体重が85kgを越えたことがありません。持病として、高血圧、糖尿病、高尿酸血症、高脂血症、腎機能障害があります。典型的なメタボです。おかげで、老人病の治療の実際を身をもって学習することができました。いまでは、検査値は健康に近似の状態で過ごしています。運命を受け入れ感謝さえしています。医学生時代になかなか理解できなかった薬理代謝の仕組みも理解できます。実体験さまさまです。老化に伴い復元範囲も狭くなってきました。長いつきあいをするしかありません。ところが今回は急激な浮腫による体重増加です。一大決心をしました。水分以外の摂取をしない絶食開始です。翌朝86.2kg。せっせと水分を摂ります。老廃物を排泄しないとなりません。絶食2日目の朝体重は85.2kg。3日目(5月5日)の翌朝85.0kgと減量は鈍化しましたが、当日真夜中に83.9kgとなり、4日目、朝83.3kgで夕方83.1kgと少量減りました。だんだんと尿の量が少なくなってきているのに気付きました。腎臓機能が低下してきている。水分を摂っても、その量ほどに尿が出ない。やばい。ついに、本日(5月7日)整形医院を受診。朝の体重は82kg。経緯を話しました。整形の医師はあっさりと言いました。「それはロキソニンの副作用で、腎障害と考えられますね」と。当方からおずおずと提案しました。「あのー、利尿を期待して、漢方薬の五苓散を処方していただけませんでしょうか」 一般に、患者側から医者にむかって、この薬を処方してくださいと指示するというのは、ほぼタブーです。漢方薬処方の解説をした文章をコピーした紙面も持参したのですが、こころよく「いいですよ」と応対されたので、とてもうれしく思いました(この文章は、まさにこういう場面でもちいるのだな)。これから安心で、さらに減量にはげみたいです。現在、絶食を続行中ですが、ゆでたブロッコリ一皿、豆腐を食して一息をいれたところです。TVのCMでビールをうまそうに飲む場面に刺激され、冷蔵庫から、ノンアルコールビールを取り出してひとり乾杯でした。カロリーゼロさまさま。(続報で、5月12日に裸体重79.0kgになりましたので、そろそろ普通食に戻ろうかと)

以上は、私的な老人の不健康に対して、こんな対策もあるのかと知ってほしいので、あえてお披露目しました。笑読してください。(文責:飯沼院長)