新型コロナ肺炎流行で見える日本の精神風土(感慨)

令和2年4月のダウン症外来の診察は、全滅でした。ダウン症児の療育相談に特化したクリニックを営んできましたが、新型コロナ肺炎流行に対して3つの密を避ける考え方は、親御さんの行動に影響して、療育相談の機会まで奪ってしまいました。これまで主張してきたダウン症児の療育指導の重要性が、いまだに社会に定着していない現実を見せつけられたようです。ならば閉院するか。そうなると日本のダウン症児が置かれた教育を含めた成育状況は徹底的に劣化してしまう。でも霞を食って生きながらえることはできない。伝聞によれば、従来の開業医も経営が悪化して青息吐息とのこと。新型コロナ肺炎流行のため、ごく一部の産業(マスク、消毒用アルコール等)は特需を経験中だし。明暗の比率は、稀vs大多数。政治家、官僚は大幅な収入減と無縁なので、現実に沿った対策はでてこない。中国史で、元、明、清の国家が倒れたのも、動きが鈍くなった腐敗官僚体制が根本にあったと教える。日本は、その過ちの途を寸分たがわずにたどっているように見える。正しい療育の理念が定着しない風土とわかったら、いさぎよくやめる決意まで迷う時間はいらない。(文責:飯沼院長)