成人学習集会の準備中

1月6日に聖路加大学院内で開催された学習会では、立派な成人を遂げたダウン症女性と家族から話題を提供してもらい、予想以上の反響を寄せられました。かねてより愛児クリニックで構想をあたためていた学習講座の手ごたえを得ましたので、来る9月14日(土)午後1時から近所の会館大会議室を借りて、成人学習集会を開催することとしました。外来に受診される親御さんに案内のパンフレットを手渡ししてきましたが、申し込みが多数となり、既に定員120名をオーバーしている状態です。ご家族一同とかご夫婦で参加されることを目論んでいましたが、このような状況に鑑みて、急きょ、申し込み人数は、父親か母親のどちらかに限定せざるをえませんでした。既にご夫婦で申し込まれた方々にも、事情を話して、人数を減らしてもらい感謝申し上げます。参加申し込み者は、すべて日ごろから愛児クリニックにかよってこられた方にかぎられます。愛児クリニックの療育を受けて、将来成人したら、どんな人格を持つ人間に育つのかを現実に示すことで、療育の重要性と、親御さんの教育への参加責任を確認してもらうのが、目的の集会です。昔からこまめに米国で開催されているダウン症総会および専門家会議に参加して、医師として教育と経験を積み重ねてきましたが、その過程で、米国の立派な成人が社会的に活躍して、演壇の上から堂々とした挨拶口上を述べたり、パーフォーマンスを見たりすることができました。成田空港に帰国するたびに、なぜ日本にはこうした手本となる成人たちが中心になって療育の知識を広めるという仕組みが、存在していないのかと、悔しい思いを繰り返し抱いておりましたが、こうして人材もそろったので、有益な成人学習集会を定期的に東京を舞台にして、主催していく所存です。(文責:飯沼院長)