よくある質問

Q.ダウン症の原因はなんですか?

よく分かっていません。唯一、母親の年齢が高くなると頻度が高くなることだけが分かっています。しかしながら男性側の原因でおこっているケースもあります。卵子や精子ができるプロセスで、21番染色体を2本運んでしまうことが直接の原因となります。その結果、受精した時に、細胞は3本の21番染色体をもちます。21番染色体が2本であれば、正常な細胞の機能となります。1本余分にあるために、細胞の機能が乱れて、奇形や発達の障害を招きます。

 

Q.ダウン症児の教育体制についておしえてください。

早期教育をすることで、よい発達が見込まれます。プレ小学校の段階から、できるだけ健常児と交流して、のぞましい行動モデルを学習させることもよいことです。学校入学に際しては、こどもの発達段階に応じて、養護学校、心障学級、通学級の選択肢があります。海外諸国では、統合教育が基本となっています。しかし日本には、統合教育に求められている法律的行政的なわく作りがされていません。これからの課題です。

詳しくは「ダウン症の療育指導Q&A」(大月書店)を読まれることをおすすめします。

 

Q.ダウン症の療育という意味は?

ダウン症児の発育と発達の両方をバランスよく確保するためには、肉体面の医学的管理と同時に、知的発達をできるだけ開花させる教育の介入も必要です。両者をあわせて、療育と言います。ダウン症の児童の場合、療育の介入はとても重要です

 

Q.クアトロテストをうけたら確率が高いといわれました。羊水検査を必ずうけなければなりませんか?

クアトロテストで出てきた確率値は実際のみつかる頻度とよく一致しています。羊水検査は、一定値以上の妊娠の場合、よく考えてから妊婦さんが希望すれば、受けられます。受けるとか受けないとかの判断には、個人的な事情が色濃く反映しています。一概に判断されることではなく、この個別の事情を勘案して、その中で、最善の選択肢をきめることが望まれます。

 

Q.信頼性のないトリプルマーカー検査を受けてしまったことを後から知りました。その責任は追及できるのでしょうか?

もしもお金を払って、検査を受けたとすれば、その検査には正確さという妊婦さんの当然の期待が込められていますので、その期待に明らかに反していて、そのことを知っておりながら販売したり利用した場合は、臨床検査会社や医者にその責任をとらせることは可能と考えられます。

 

 

Q.新聞の記事によれば、厚生省が出した見解がこの検査に反対だと言っていますが?

厚生省の担当役人に尋ねてください。厚生省は一切責任をもたない関係のある委員会が「意見」を出しただけという回答がかえってきます。厚生省の見解ではなく一委員会の「意見」だとすれば、ずいぶん誤りがはっきりとしている新聞報道ですね。

問い合わせ先:児童家庭局母子保健課
電話03-3173-3179

 

Q.ダウン症の文化と教養という言葉の意味は?

ダウン症の人たちが知的文化的活動をする中に、従来の知的障害者という視点からでは到底識別できない新しい価値があることを、ダウン症の文化と称し、そのようなとらわれない視点をもつためには、それなりの教養がないとならないと、愛児クリニックの飯沼院長が提唱している言葉です。参考文献:雑誌「チャイルドヘルス」3月号、2001年、診断と治療社