受診希望と会員制度の関係

言葉が足りなくて、愛児クリニックで療育相談を受けたいと希望される親御さんが、クリニックでは会員制度をもうけていますという文面に接して戸惑っていることを知りました。愛児クリニックを受診して相談とか指導を受けることにおいては、会員制度は関係がありません。診察時間は1時間枠をとり、医者からの意見、助言を申し上げるとともに親御さんから自由に質問をしてもらうことに費やされます。どんなことでもできるだけ納得できるまでご説明を申し上げます。これが通常の親御さんへのサービスです。

他方で、通院しているうちに、家に帰ってきてから質問を思いついて尋ねたいと思っても、予約をとってクリニックにおいでになったその時間帯で互いに面談する中で質問が許されます。電話とかメールとかのメデイアで質問をクリニックに届けても普通回答をしておりません。

しかじ、会員は違います。家からいつでもメール、ファクス、郵送で質問をクリニックに出せます。数日以内に回答をもらえるようになっています。これはどうした理由で設けられたのでしょうか。簡単に言いますと、親御さんの濃厚教育のためです。ダウン症児を育てる中で、立派な「賢い消費者」になってもらいたい。そのため6年間必要なときにすばやく行動と体験を重ねるようにしてもらいます。医療機関のかかり方、利用の仕方、学校との応対の仕方、役所との折衝のやり方、福祉機関の利用の仕方等、影のようにつきそってアドバイスを送ります。お互いの特別な関係を結ぶ契約が、会員制度です。初年度20万円、以後5年間年会費6万円、7年目から年間1万5千円となります。だいだい、6年間でしっかりとできあがりますので、クリニックの負担が劇的になくなります。年会費は、診察、紹介、助言のすべてのサービス料金を含んでいます。会員制度を通じて、愛児クリニックの理念の濃く影響を受けた親御さんが生じます。頼りない日本の環境で、ダウン症の子どもをまともに育て上げるのは至難のわざで、なおさら親御さんの見識があがる必要があります。ですから当の親御さんの自主的な判断をとおして、会員になりたいと申し出があって初めて会員制度が開始します。現在までに220名の会員が立派にそだっています。(文責:飯沼院長)